見える学力・見えない学力

 この本は1981年の出版以来69版を重ねているそうですが、子育てをする親には読んでいただきたい本です。表題の「見える学力」とは「全国学力テストや学校のテストの点数のこと」「見えない学力」とは「その土台となる基礎的な力」のことです。基礎的な力とは、「言語環境・読書・遊び・勉強の習慣づけ・テレビの功罪・食べ物・音読・書く・計算練習」などなどです。詳しくは本書を読んでいただくとして、私なりの「見える学力・見えない学力」について書いてみたいと思います。


学習塾の役割

 子どもを学習塾に通わせる一番の目的が「目に見える学力」の増強だということは重々承知しております。それは定期テストの点数を上げ、席次を上げること、そして内申点を上げるという具体的な数字で確認できます。その数字に一喜一憂し、変化がなければ塾を止め、あるいは別の塾に移るということは多々あることで、当然といえば当然の行いかもしれません。「みのたけ」においても定期テストの後には出て行き、逆に他塾から移ってくる生徒がいます。しかし、我々とて魔法の杖はもっておらず、「すぐに成績を上げることは保証できない」ということをあらかじめ伝えてから受け入れております。これは言い訳に聞こえるかもしれませんが、次のような理由があります。

 


基礎学力なくして応用力はない

 小学校に入学して、ヨーイ・ドンで学校の勉強が始まります。しかし全ての生徒がその学年で履修すべき内容を消化しているとは限りません。それは学年が上がる毎に、消化不良として累積されていきます。言い方を変えれば「借金」として生活を圧迫するようなものです。

 

 家人が小学校で教えていますが、それは小学1年生ですでにはじまっているそうです。学校の教科書では前学年までの内容がほぼ履修されているという前提で授業が進められますので、やり残した分(マスターされていない分)が多い生徒は日々の授業について行ける訳がありません。

 

 例をあげれば、足し算・引き算・かけ算・割り算がスムーズにできない生徒、あるいはかけ算九九ができない生徒に二次関数が理解できるはずはありません。アルファベットも覚束ない生徒が英語の授業についていける訳がありません。そして読み書きに代表される国語力が乏しい生徒は、他の教科にも影響を与えていきます。

 私が小学生の頃はかけ算九九を覚えていない生徒は放課後残されて特訓を受けたものですが、最近では先生方も忙しすぎてそんな時間がとれないそうです。


お子さんの現状を把握していますか

 上に挙げた例は極端な例と思われるかもしれませんが、なかなか成績が上がらない生徒は多かれ少なかれ、そのような課題を抱えているものです。本人はそれに気づかず、焦り、そしてあきらめるという悪循環に陥っている例を私達は数多く見てきました。

 逆に言えば、それに気づき素直に「急がば回れ」の気持ちで学習に取り組んだ生徒は、時間はかかりますが成績は向上します。そしてその後の伸びは確実で急速です。なぜなら苦手を克服する方法を学んだからです。


「みのたけ」の役割

「みのたけ」とは「身の丈(に合った)」の意。つまりそれぞれの躓いたところを発見し、そこに立ち返ってそこを一つひとつ埋め合わせて行くことこそが、最良の学習だと考えています。水面下の部分を埋めていくことができれば、学力は確実に水面上に現れ、学力が上がれば成績は上がります。まず「見えない学力」からという訳です。

 

 時間はかかるかもしれませんが、そこから目を逸らすことでは根本的な解決にはなりません。これが30余年の経験から学んだことです。

Slow and Steady wins the Race.

(ゆっくり確実に進む者がレースを制す)